最近のスマホは、顔や指でロック解除するのが当たり前になった。
PayPayもSuicaも、銀行アプリも、すべてが生体認証ひとつで動く時代。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてほしい。
「顔で開く=安全」って、本当にそう?
私はイエスともノーとも言えない。
確かに便利だし、第三者にパスコードを盗み見られることもない。
でも、スマホが盗まれたとき、顔をかざされたらどうなる?
寝ている間に顔にかざされたら? 強制的に指を当てられたら?
生体認証は完璧じゃない。だからこそ、ちゃんと順番を考えてスマホを守る必要がある。
STEP1:スマホそのものに入らせない
生体認証は便利、でも過信しない
Face IDや指紋認証は便利だけど、100%安全ではない。
寝ている間に顔をかざされたり、強制的に指を当てられたら突破されてしまう。
ちなみに、私が使っているPixelでは、指紋も顔も反応がイマイチで、ほぼ毎回パスコード入力です(笑)。
それでも「パスコード入力に慣れておく」という意味では、悪くないのかもしれません。
🔧 おすすめの生体認証設定(iPhone)
- 「注視が必要」をオンにする
→ 設定 > Face IDとパスコード >「注視が必要なFace ID」をオンにする
→ 目を開けて本人が見ていないとFace IDが通らない設定。寝顔や無理やりの解除を防げる。」をオンにする - 「Face IDでロック解除」以外の用途は最小限に
→ 設定 > Face IDとパスコード > Face IDを使用する項目(iPhoneのロック解除、iTunesとApp Store、Apple Payなど)を必要最低限に絞る
→ 万が一Face IDが突破されても、他の操作を制限できる
とはいえ、現実には「全部Face IDに頼らざるを得ない」状況もある。
とくに最近は、パスワード管理系アプリがうまく働かず、結局手入力になるケースも多い。
せっかく強力なパスワードを設定していても、認証アプリや自動入力が失敗してストレスが溜まる。
だからこそ、生体認証に頼りたくなる気持ち、めちゃくちゃわかる。
特に、銀行系やJR系などのアプリは、パスワード管理アプリとの連携ができないことも多く、そのくせに「複雑なパスワードを入れろ」と要求してくる。
こういった“ポンコツ設計”が多い中では、むしろ生体認証をオンにして快適に使えるようにすることが、現実的で正しいセキュリティ対策だと思っている。 → 万が一Face IDが突破されても、他の操作を制限できる
- 信頼できない場所ではパスコード入力に切り替える
→ 空港、駅、カフェ、電車の中、コワーキングスペースなど、人目が多く、のぞき見やすい環境では注意。
→ こうした場所では、Face IDや指紋認証ではなく、あえてパスコード入力に切り替えるのも有効。
→ iPhoneやPixelでは「ロックダウンモード」を使えば、生体認証を一時的に無効化できる。
🔧 Android向け設定
正直、Androidは顔も指紋も“ポンコツ認証”だと感じることが多い(もちろん機種によるけど)。
Pixelなど一部モデルでは「え、これで認証通っちゃうの?」とか、逆に「何度やっても通らない…」ということも。
- 顔認証より指紋認証を優先
- Smart Lockは最小限、またはオフ
- Pixelなどでは「ロックダウンモード」が使える
強いパスコードを設定する
iPhoneもAndroidも、パスコードの強さについては基本的な考え方は共通。 数字なら6桁以上、できれば8桁以上。英数字混在ならさらに強度アップ。 ただし、Androidは機種によって初期設定が「パターンロック」や「4桁PIN」になっていることも多いため、 そのまま使っているとセキュリティが弱くなりがち。
桁数が見える機種もあるので、できるだけ長くて推測されにくい数字列にするのがおすすめ。
私は8桁のパスコードを使っていて、4桁+4桁に分けて覚えている。 これには理由がある。 以前、4桁のパスコードを使っていたころ、子どもたち(当時小中学生)に入力の様子を見破られて、何度も勝手にスマホを開けられたことがある。 さすがに大人になった今は、それぞれ自分のiPhoneを持っているけれど、当時の“観察力の鬼”な子どもたちの突破力には驚かされた。
それ以来、私は8桁に切り替えた。 さらに、iPhoneでは「カスタム数字コード」を選ぶと、パスコード入力時に桁数が表示されないのも強いポイント。
よくある落とし穴:パスコード忘れがち問題
最近は、Face IDや指紋認証ばかり使っていて、「あれ?パスコード何だっけ?」となる人も増えている。
でも実は、生体認証が効かないときこそ、パスコードが命綱になる。
たとえば、再起動後や、顔が隠れているとき、指が濡れているときなど。
だからこそ、パスコードもちゃんと“覚えられる強さ”にしておくことが大事。
STEP2:ロック状態でものぞかせない
ちなみに、今でもAndroidには“点をなぞって解除する”あのパターンロックが存在する。韓ドラや映画でよく見るアレ。懐かしいですが、セキュリティ的にはかなりリスク大。
- 指の跡が残りやすい
- パターンが予測されやすい(たいてい「L字」「Z字」「逆N字」)
- 組み合わせも限られている(9点で構成)
という理由から、私はおすすめしません。使っている人は、そろそろ「数字6桁以上のPIN」への切り替えをぜひ!
スマホが開いていなくても、実は情報が漏れていることがある。
ロック画面からのぞける通知や、コントロールセンターの操作がそれ。
iPhoneで見直したい設定
設定 > Face IDとパスコード > ロック中にアクセスを許可 から変更可能。
- 通知センター → オフ
- コントロールセンター → オフ
- 今日の表示と検索 → オフ
- メッセージで返信 → オフ
- 不在着信にかけ直す → オフ
- Siri → 私はオン(理由:ディスプレイ操作不能時の保険)
Androidでのおすすめ
- ロック画面の通知 → 「内容を非表示」に設定
- スマホの紛失を想定して、なるべく情報を見せない設定にする
STEP3:アプリやアカウントを突破させない
本体のロックが堅くても、アプリの中身がスカスカでは意味がない。
まずは2段階認証(2FA)を設定
Instagram、LINE、Gmail、Apple IDなど、重要なアカウントは2FA必須。
SMSよりも、Google Authenticatorなどの認証アプリを使うと安全性が高い。
認証アプリは一定時間ごとに6桁の数字が自動で更新されるため、コードを盗み見られてもすぐに無効になる。
特にInstagramは、最近も乗っ取り被害が横行しているので要注意。
一度乗っ取られると復旧も大変だし、知らない間に迷惑DMをばらまくことにもなりかねない。

おわりに:便利の裏にある“スキ”を埋めよう
セキュリティって、全部やろうとすると面倒に見える。
でも順番を考えれば、少しずつ積み重ねるだけでいい。
- スマホに入らせない
- ロック中にのぞかせない
- アプリを突破させない
この3ステップだけでも、守りはずいぶん固くなる。
便利さに慣れてしまった今だからこそ、見直してみよう。
スマホは“顔パスでなんでも入れる金庫”だからこそ、自分でちゃんと鍵をかけておきたい。